「北方のかほり」プロジェクトの歩み
当記事の編集者:channel 防災無線
どうも,皆さんこんにちは(当サイトではお久しぶりです…?).
概要
突然ですが,岐阜県 本巣郡 北方町(きたがたちょう)をご存知でしょうか.
面積は約5㎢と県内最小,人口密度約3500人/㎢と県内最大,岐阜市に隣接し,便利で大変コンパクトな町です(↓下記の岐阜県自治体の略地図で赤く示した場所が北方町です↓).
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因みに,ここで北方町の標準的な防災無線子局の設備や,システムについて少し見ていきましょう.
・北方町の防災行政無線(同報系)は,デジタル設備(2006年~)となっています.
・屋外拡声機は計23箇所に設置されています.
・子局の例として,トップナンバーである最北端子局,No.1「佃公園」を挙げています.
・スピーカーはTOA製の防災用モデル.一般的なものです.↑
・全体像.マストは茶色に塗装されています.避雷針も設置されています.子局は,主に公園に設置されていることが多いです.というか,公園に行けばだいたいあります.
・アンテナは5素子八木型となっています.↑
・制御ボックスと外部接続機器.制御機器はHITACHI製です.↑
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そんな北方町の防災無線から正午に流れる防災無線チャイムを,私が変える提案をするという機会がありました.
その経緯とは,一体どのようなものなのでしょうか.
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「北方のかほり」の始まり
全ての始まりは2019年2月頃.北方町における町民歌として,「北方のかほり」が制定され,町ホール施設においてお披露目されたとの記事が,町のホームページや「広報きたがた」に初めて掲載されました.市町村民歌にも興味があった私にとって,非常に興味深い出来事でした.(↓当時の北方町ホームページ「町長のつぶやき」より引用↓)
そして,北方町役場に出向き,「北方のかほり」のCDを頂きました.実は,その頃から私はこの曲を知っていたのです.歌詞,曲ともに,とても素晴らしく,「故郷の歌」として歌い継いでいってほしい,当時からそう思っていました.
・曲の詳細は以下の通りです.歌詞には,多くの町の象徴となるものや,人とのつながり,四季の移ろいなどが歌われており,町歌としては大規模で立派なものとなっています.
↓歌詞は,以下の画像に示す通りです.↓
作曲 吉武 雄一 氏 / 作詞 大平 好秀 氏 / 編曲 藤川 慎司 氏
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それから1年.
2020年,新型コロナウイルスの脅威が,世界中を襲いました.岐阜県内においても,緊急事態宣言が出され,合唱を行うことができない状況となりました.このままでは,「北方のかほり」を継いでいくことが困難になるのではないかと,私は思いました.
さらに,社会の雰囲気も暗くなっていました.私が,何か地元を明るくするためにできることはないか,と考え,そこで思いついたのが,
「北方のかほり」を防災行政無線の時報として流せないか,ということでした.
そして実際に,北方町役場に電話をし,北方町防災安全課 様に,請願をさせて頂いたのが2020年6月頃でした.
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実現への壁
しかし,当初,その結果は厳しいものとなりました.
(↓2020年6月26日 防災安全課 様からの当時の返答↓)
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実現への道
それでも,私は諦めませんでした.それからも町との議論を重ね続けました.全国のご当地チャイム(市町村民歌)などをひたすら調べ,アレンジ等を研究し,どうすれば実現が可能か,どうすれば町民の皆様に心地よく,楽しく聴いていただけるかを模索しました.
そして,改良を重ね,自分なりのアレンジを完成させました.(↓音源編集画面↓)
さらに,2020年7月,町長の戸部哲哉 様と直接,お話をさせて頂くことができました.
この場を借りてお礼を申し上げます.本当にありがとうございました.
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実現
その結果,再度,防災安全課 様より返答を頂きました.
(↓2020年8月3日 防災安全課 様からの返答↓)
8月11日の正午より,私のアレンジした「北方のかほり」を,時報として採用して頂くことになりました!!
当時,流して頂いたのは,前奏のない,1番のメロディがで終結する49秒のアレンジでした.
なお,その49秒アレンジは,町歌の全てをカバーした4分フルバージョンの中から抜粋したものです.そのアレンジの原音を,動画で公開しておりますので,URLを貼っておきます↓↓.
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そして迎えた8月11日の正午.
実際に自分がアレンジしたものを,屋外拡声子局から,しかも周りの反響やセミの鳴き声とともに聞いたことで,今までにない感動を味わいました.
(↓2020年8月11日 夕べが池自然公園にて収録↓)
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新たな展開へ
それから4か月.「北方のかほり」の時報は好評をいただいているようでした.
一方,2020年12月,町民の方からこんな意見をいただいたようです.
「北方のかほりはとても良い曲なので,ぜひ,歌詞入りでも放送していただきたい」
役場の方からも再びメールをいただき,歌詞入りの実現方法を模索していくことになりました.しかし,私は少し懐疑的に見ていました.それは,防災スピーカーの特性上,歌詞(歌声)が籠ったり,高音が騒がしくなったりして,騒音となったり,歌詞が聞き取れなかったりするという懸念があったためです.しかしながら,比較的多くの方からご意見を頂いていることもあり,CDから抜粋し,OP→1番→EDという流れで鳴動させることになりました.
そして,それと同時に,私からこんな提案もさせて頂きました.
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歌詞入りのアレンジは,2021年1月4日より採用されました.
その時の収録動画がこちらです.(↓2021年1月4日 馬道公園にて収録↓)
原曲を流す形にはなっていたのですが,これもまた良い音風景だと思いました.
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そして現在…
しかし,歌詞が聞き取りにくいとの苦情が幾つか寄せられたようで,歌詞無しへの再変更を行うことになりました.
それに伴い,先ほどの文書による提案の実現はしませんでした.
2月1日からは,私がアレンジを行った前奏付きの1分アレンジが鳴動しています.暫定的ですが,これで固定されているようです.
(↓2021年3月6日 佃公園にて収録↓)
そして現在も,この時報が正午に毎日鳴動しています.
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2021年3月6日,編曲を担当された藤川慎司様より,YouTubeのコメント欄にて,お礼の言葉をいただきました.
私としても,この町で「北方のかほり」という曲が広く知られ,愛されるきっかけになったり,明るいまちづくりに少しでも貢献できたりしたのではないかと考えています.
そのようなことができたことは,一生忘れないと思いますし,私としても感激しております.
また,地域貢献や社会参画について,実体を伴ってより深く経験し,学ぶことができました.
この場を借りまして,関係者の全ての皆様方にお礼を申し上げます.本当にありがとうございました.
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「北方のかほり」は,これからも北方の地に,正午に,明るく響き渡ります.
channel 防災無線
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