山県特集 岐阜県山県市-Yamagata City in Gifu

記事担当;channel 防災無線

【概要】

岐阜県山県市の防災行政無線を中心とした特集記事です.

やまがたしと読みます. 岐阜県にも「やまがたし」があるんです!

平成の大合併初期の2004年頃,岐阜県山県郡高富町,伊自良村,美山町の3町村が合併し「山県市」が発足しました. 人口はおよそ20,000人. 山間部に位置し,美しい自然の数々があるほか,岐阜市と隣接しており,交通の便もそれなりに良いです.

山県市役所は旧高富町に設置されています.

そんな山県市の時報をめぐっては,2017年頃に大発見があり,現在の収録,動画状況に至っています. その大発見とは何なのか!? 山県市の時報はどのように開拓されていったのか!? 私の収録など経験の秘話をお伝えします!!

※アナログ同報時代の記事ですので今後デジタル統一化によってどうなるかは分かりません. その点をご了承ください. 山県市はR3年度にデジタル化,統一される予定があります※


第1章.高富地域の時報判明

山県市の防災行政無線から鳴動する時報が初めて判明したのは2016年頃. 高富地域の新音源夕焼け小焼けの動画が上がっていたため,当時,これはド定番の時報パターンだなと思っていました.

2017年前半頃には,朝と昼の時報もはっきりと判明しました.

高富地域の時報はこんな感じ↓

7:00…TOA新音源野ばら

12:00…TOA新音源エーデルワイス

17:00(10~5月)/ 18:00(6~9月)…TOA新音源夕焼け小焼け

夕方の時報の時刻変動,4月まで17時な割には9月末まで18時なんですね(汗)

・高富地域は,合併前は有線放送があり,合併後に市内放送システム統一のため平成17年ごろ新規アナログ子局として48箇所に屋外子局が整備されました.

 高富地域の同報無線屋外放送設備詳細はこんな感じ↓

↑)スピーカーはTOA製の防災用モデル. 平成17年ごろの整備なので比較的新しめです.

↑)全体像はこんな感じです. アンテナは5素子八木型を使用.

↑)FRPカバーで覆われた制御ボックス. OKIのアナログシステム. 合併後に整備されたため「山県市」との表記です. 子局名など特に記載はありません. 場所によっては気象観測装置(テレメーター系設備)が設置されている子局もあります.


第2章.伊自良地域の事情

そんな感じで高富地域の設備を適当に散策して(当時はまだ他地区の事情など知らなかったため)いると,「なんか設備違う!!」と思わせる子局を発見. 地図を見ると旧伊自良村域に入っていました.

さぁそこでです. メーカーを確認するとOKIでしたが,設備が大きく異なっているのを見た私は「これってもしかして旧町村域で系統が違ったりするのかもしれない」と悟りました.

ところが鳴動した時報の曲名,音源などは高富地域と同様でした. それどころか音質と音量も落ちています. さすがに放送内容は高富地域と同じか…という考察に終わったわけです.

・伊自良地域の放送設備

 合併前から旧山県郡伊自良村には同報無線が設置されており,19箇所に

↑)スピーカーはTOA製防災用モデルではありますが,防護網が付いております. 見るからに高富地域に比べて古そうです.

↑)全体像はこんな感じです. アンテナは5素子八木型を使用. マストは根元に向かって太くなっていく頑丈そうなつくりになっています.

↑)制御ボックス. OKIのアナログシステムです. 旧村域の子局ナンバーと子局名が記載されています. 外部接続箱は,緊急役場連絡用と地区放送用の二つに分かれていました. 山県市と大きくシールが貼ってあり,ここに昔は「伊自良村」と書いてあったんだなぁと,妄想に浸る.


・ここで時報動画(高富,伊自良地域)のURLを貼っておきます.(収録者:自分)


↓ 7:00 新音源野ばら

↓ 12:00 新音源エーデルワイス

↓ 夕方(17:00/18:00)新音源夕焼け小焼け


第3章.2017年,美山地域での大発見!!

なんやかんや子局を探し回っていてとうとう場所は美山地域へ. するとまた設備が違うなぁと思わせる子局があちらこちらに建っていました. 子局を観察すると…

「制御ボックスのメーカーが市内広域と違う」ということが判明しました. このころから,美山地域では市内広域とは違う時報がなるのではないかと睨み始めました.

・美山地域の同報無線放送設備

 旧山県郡美山町にも防災行政無線が既に設置されてはいました. ですが合併前の整備にしてはかなり最近のように見えます.

↑)スピーカーはnoboru製の防災用モデル旧型です. もうこの時点で雰囲気違いますねー.

↑)全体像. アンテナは5素子八木を使用しており,市内全域が5素子アンテナを使用していることが判明. マストは根元に向かって徐々に太くなるやつです.


↑)制御ボックスはPanasonic製のアナログシステムです. 市内広域のOKIとは違います. ここにも山県市とシールが貼られており,その奥にはうっすら「美山町」と旧町章が見られます.

↑)美山地域の場合,外部接続箱に子局名のみが記載されています. 全てひらがな表記なのが特徴です.


その美山地域で最初に判明した時報はなんと旧音源「スイートメモリーズ」!! こんなところで正午の時報として使われていました! しかもテンポが1段階速いところがまた珍しい.

そして立て続けに夏期6~9月の夕方は18:00に鳴動すること,曲目は旧音源「野ばら」であると判明しました. なぜか野ばらだけ通常テンポなんです. 県内で通常速の旧音源野ばらが聞けるのはここだけです!

朝には何か旧音源が流れるのだろうと思い市内広域と同じ7:00にカメラを構えましたが何も鳴らず. 「?? 美山地域の朝は鳴らないのか,別時刻なのか…」と思い,別日6:00に動画の撮影に出向きました. 

鳴動前,朝が早い地元の方に「わざわざ美山までいりゃーたの!!」と驚かれました. 親切に時報の鳴動時刻まで教えて頂きました. →朝の時報はやはり6:00であること,冬の夕方は17:00に鳴動することが判明.

6:00を迎えると鳴動した時報は岐阜県内では初確認の旧音源「恋は水色」!! テンポは1段階速いものです. 岐阜県内で旧音源恋は水色が聞ける場所がまだあることに驚きました.

これでとりあえず山県市の全貌が見えてきました. 時報はこの3曲かと思いましたが,立て続けに旧音源のレア曲が判明するので,今度は冬期の17:00の時報も果たして本当に旧音源「野ばら」なのかと疑問に思い始めました.


そこで同年2017年10月,午後5時に曲目確認へ. 旧音源夕焼け小焼けや家路を予想していましたが…

今度はなんとまた予想外の旧音源「イエスタデイ」が鳴り始めたのです!! こちらもテンポが1段階速くなっていました.

というわけで,美山地域では計4曲の旧音源レア時報が鳴動していることがこの1年で判明したのです. ちょっと,奥が深すぎませんか…!!??

他にも未開拓なだけで実は…という自治体がたくさんあるかもしれません. 調査するに越したことはありませんよ!!


【おまけ】

山県市の風景

・伊自良湖…旧伊自良村,山県市長滝に位置する小さな湖. 伊自良川上流のダムです. 湖畔にはキャンプ場などもあり知る人ぞ知る名所です. キャンプ場には子局もあります!!

湖畔への道のりはただ1つ,県道174号線を行くのみ. 味わい深い道です.

伊自良湖畔キャンプ場に設置されている子局↓

レフレックスホーン2基の子局です. マストはここだけ例外で,太いものではありません.

・清流,神崎川…美山地域を流れる清流の神崎川です. 山県市では上流部にあたる武儀川に注ぎ,水は長良川へと行きます. 美山支所周辺で撮影したものです. 本当にすがすがしい風景. 釣りにも良いかもしれないですね.

ということで,最後までご覧いただきありがとうございました!!

山県特集は以上になります.

お時間ありましたら是非他の記事もご覧ください!

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